この教場と言うドラマ。
原作は、長岡弘樹氏の「教場」です。
この小説は、単行本が出た当初に読みました。非常に面白かったことを覚えています。
今回スペシャルドラマとして放送されるという事で少し楽しめにしてました。
主演がキムタクかって思いもありましたが。
しかし、いい方向に裏切られました。
小説「教場」
舞台は警察学校です。
教場とは、学校の教室のことです。
そこに集う警察官を目指す生徒と、教官である風間公親(木村拓哉)との間に起こる様々な事件についての物語です。
教官との間と言うと少し語弊がありますね。
生徒間の争いや、出来事を風間教官の鋭い洞察により解決していくという感じですね。
あまり詳しくは覚えてないんですが、「教場2」も出ていました。
読んだ記憶はあります。
ざっとネットで調べたところ、今回のスペシャルドラマでは、教場、教場2のエピソードが含まれているようです。
単行本を持ってたら調べられたんですが、既に手元にないので。
舞台が警察学校と言うことで、先入観としては、志の良い、正義感の強い若者が集まると思いきや、なかなかくせ者揃いです。
もちろんそうでないと、小説になりませんからね。
厳しい訓練、学習、厳しい寮生活でした、チャンチャンでは、読んでいて面白くもなんともありませんからね。
たまに、書評とかで、この本を読んで警察官を見る目が変わったって言うコメントがありますが、影響しすぎです。
物語としてあえて事件を起こしたり、個性の強いキャラクターを出してるんだから。
現実の警察官とは別物として見ないと。
もちろん、他の部分においては取材を元にかなり忠実に書いてるんだろうと思います。
木村拓哉主演
この教場。
かなり原作が面白かったので、最初にスペシャルドラマとして放送されるという話が出たときに、主演 木村拓哉と聞いて、少々がっかりしました。
正直好きな俳優、タレントではないからです。
演技もワンパターン。
「ちげーよ」、「ちょっと待てよ!」。
もう、すぐにフレーズが頭に浮かぶ。
本人も結構気にしてるようで、「いつものキムタク演技」とか言われてるんだよなって、テレビでも言っていたようです。
まぁ、脚本もキムタクをイメージして書かれてるんだろうなって言うのが分かったりするような感じですから。
しかし今回はその期待を見事に裏切りました。
いやー、凄い。
引き込まれましたね。
教場の本を読んだときに、なかなか風間教官のイメージがわきませんでした。
年は50前後、物静かだが、鋭い洞察力を持つ。
しかし、女生徒から(それも二人)好意を持たれるような人物。
イメージが湧きませんでしたね。
一体どんな奴やねんって。
普通読んでいるときには、こんな感じかなってタレントをはめ込んで見るんですが、この教場ではなかなか難しかったのを覚えています。
今回は、ドラマを見て、こんな感じだなって言うイメージを得ることが出来ました。
まさにそうだよなって。
静かで、洞察力があり、その上女性にもてる風貌。
ドラマでも、ただ単に厳しいのではなく、生徒の軽いおふざけも許容し、なんか器の大きさも醸し出してる。
めったにないけど怒鳴るときの迫力。
これはほんとにいい演技をしてたなと。
特に良かったのは、最後の教室での授業。
不合格にした生徒を前に、警察官にほんとに必要な物は何かを悟らせる場面。
正直、2、3度見ましたが、なんか涙が出てきます。
「君のような警察官・・・(ネタバレのため)」の台詞にはかなりグッときました。
ほんとに良かった。
続編が噂されているが
ネットではさっそく続編の話が出ているようです。
確かに続編として見てみたい気はします。
ただ、脚本はどうなるのかな。
著者の長岡氏が書いてくれるのかな。
これ、テレビのドラマの脚本を書いてる連中が担当したら、かなり酷い物になりますよ。
それでなくても舞台が警察学校と言う難しいシチュエーションですから。
小説をドラマ化するときにもよく、変な演出があります。
ドラマだからという事情もあると思うんですが、小説を読む人間としては非常に残念。
もちろん今回の教場もアレンジはありました。
しかし、そのアレンジも非常に良かった。
これもベースとなる原作があるから。
次回はどうなるのか。
キムタクの風間教官は、寡黙で演技に不安はないが、脚本がアホすぎると一気に冷めてしまう。
先日あった半沢直樹のスピンオフドラマ。
あれ、池井戸潤が脚本書いたのかな?
酷かったが。
演出とは言え、あの場で金を引き出し、わざわざ画面に出すか?
あえてダミーの画面を作ったって言うが、もともとそう言うのを仕組んでいたと言うことだよな。
ないわ。
酷かったね。
まぁ、半沢直樹は、原作があるから大丈夫だとは思うが。
「教場0」
この本知りました。
読んでませんでした。
と言うことで、早速買いました。
中はまだ見てませんが。
教場、教場2と読んでいるので、一応読んどかないとね。