今回は、秋吉理香子氏の「聖母」を読みました。
読み終わった後、凄く複雑な感情が入り交じり、なかなか整理出来ない。
誰の視点で見れば良いのか。
誰が悪くて、誰が正義か。
明らかに悪い奴はいるんだけど。
説明 注!ネタバレ
概要はというと。
幼児の遺体が発見された。
幼児の遺体には酷い傷が。
すぐに犯人はストーリー上分かるんだが、実は犯人はもう一人いて。
また、マンションに住む主婦が、不審な人物を目撃し、そいつが犯人なのではと、独自に動き出す。
余計なことをするなと思いつつ、結末にはあっと驚くことに。
読み終わった後、もう一回読まないと、なんか納得できないような。
読んだ時の感想
ストーリーの8割は、なんかサイコパスな女子高生がいて、陰でそいつに付きまとう、更なるサイコパスがいるという展開。
そこになんかよく分からん主婦が、あたふたと参加してくるんだが、凄く次の展開が気になり、あっという間に読んでしまった。
これほどのスピードで読むのも久しぶりです。
最後の結末は、以外で予想できないと思います。
それほど巧妙に練られたストーリーでした。
非常に良く出来たミステリーだと思いますね。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:3
読み終わった後、再度読まないとよく分からないところがあります。
あの人とあの人との会話が。。。みたいな。
◆意外度
意外度:5
意外度は、ここ最近の小説の中ではピカイチかと。
これは予想外でした。
しかし、巧妙で納得できますが、実写化は難しいだろうな。
◆夢中度
夢中度:5
夢中で一気に読んでしまいました。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:3
ここは、この小説のキモかな。
誰が悪かったのか。
基本的には納得できるのですが、唯一納得できないのは、子供が被害者になってるのに、いかにも悪い子供だからと言う感じで終わってること。
悪いのはあくまで親。
子供はそんな親の犠牲者です。
小説では、どこかそういう子供たちが、悪のように描かれているようで少し気分が悪いです。
しかし、それ以外では、いくら罪を償ったとしても、異常犯罪者は社会が抹殺すべきというのは、大いに賛成するところです。
更生って言うが、人間の本質は絶対治らない。
治らないから、いつ犯罪をまた起こすかわからない。
いつも被害者はか弱い人間であることを忘れてはならない。
子供や女性。
そういう犯罪者は弱いものしか相手にできなんだから。