結構好きなんですよね、堂場瞬一氏の作品。
特にこれってのは無いんですが、店頭で見かけて面白そうであれば買ったりしていました。
今回の「雪虫」は、500頁を超える大作。
その上、たまに本の中で出てくる鳴沢了と言う刑事が初登場します。
鳴沢了シリーズのデビュー作品。
説明 注!ネタバレ
概要はというと、新潟で発生した老女殺人事件。
老女の素性を探ってみると昔、かなり昔に宗教団体を立ち上げていたことが分かった。
有力な目撃者もおらず、悶々とする中で、鳴沢了は全く異なる観点で捜査を始める。
親子三代警察官という家庭環境で、父親は事件が発生した所轄の署長。
お爺さんは元捜査一課の大ベテラン。
複雑に絡み合った家族関係と事件の行方。
結構読み応えもあり、夢中になって読んでしまいました。
読んだ時の感想
警察官を天職と考える鳴沢了。
こだわりが強すぎて、なんか応援できない。
そんなキャラクターだ。
正義感が強すぎるというのか、うまく立ち回れないような感じがするが、しかし、警察官としては有能だ。
警察官として誇りを持っており、嫌というほど悪者を憎む。その気持ちは凄く分かるんだが。
そんな彼も好きな人ができたという、そんな描写も結構ありはするが。
警察官としての責任感がありすぎるのか、読んでても、絶対結婚なんて無理だぞって思うんだが、結構アタックしてた。
おいおい、なかなか理解は得られないぞ!って、途中よくつっこんでたな。
ただ、結婚前提と考えるなら警察を辞めてって言う女性もどうかなって。
結婚するために仕事変えないでしょ、普通。
仮に変えたとしても、そんな男性逆に頼りないと思うがね。
最後は意外な顛末となるが、50年以上前の、混沌とした社会では、そのぐらいはと思ったりもする。
正義感が強い上に苦悩するのは分かる。
父親が言った言葉も、後半にかけてよく分かる。
どんな状況になっても親子なんだなって。
しかし、了には届かないのか。
それだけ真っ直ぐすぎるんだって。
最後に警察官を辞めるが、その後どうなるのか?
凄く興味が湧いた。
と言うことで、次の作品の「破弾」をネットで買ってしまった。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:5
読みやすかった。
突然テンポが速くなるところもあるが、そんなに複雑ではないため、頭によく入ってくる。
◆意外度
意外度:4
少し違和感を感じながら読み進めていくが、最後は意外だったな。
まさかって感じだ。
線が薄そうな所から、少しづつ開けてくるのはよいが。
ただ、何故そんなこと調べられたんだってのが気になるな。
◆夢中度
夢中度:3
夢中にはなれる。
普通に。
ただ、評価としては、無中度は中かな。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:4
物語中の事件としては、スッキリと解決してないが、読者にはきちんと説明があり、納得。
ただ、さっきも書いたが、なぜ事件の真相を素人が調べ上げることができたのが。
しつこさと執念か。
事件が起きたことで関係者の口が重くなったのか?
しかし、当時、不安からあることを起こしてしまってるのに、喋るかなって疑問はあるね。
読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。