堂場瞬一氏の鳴沢了刑事シリーズです。
もう、「雪虫」から始まり、これが4作目。
青山署の刑事である鳴沢了。
今では優美という恋人もおり、一見刑事生活を堪能しているように見える。
そこに、警視庁捜査一課の理事官である沢登に呼び出され、匿名を命じられる。
これは面白かったな。
夢中で読んでしまいましたね。
説明 注!ネタバレ
概要はというと、青山署で刑事をしている鳴沢了刑事。
そこの突然警視庁捜査一課理事官の沢登から呼び出しがありました。
行くとそこには、将来実家のお寺を継ぐ今(こん)刑事も。
2人に与えられた特例とは、自殺した刑事に関係があると思われるある刑事の行方。
行方不明になっているその刑事を探し出すというもの。
調査を進めていくうちに、警察内の悪事や、派閥争いまで絡んできて、いったい誰が味方で、誰が敵かもう分からなくなってくる。
最終的に全貌が見えてくるが、その時には既に敵のわなにずっぽりとはまってるのか?
後半はもう夢中になって読んでましたね。
久々に楽しく読ませて貰ったな。
すぐ次の「帰郷」を読みたくなり、また注文してしまった。
読んだ時の感想
鳴沢了も、優美と言う彼女もでき、その子供である勇樹とも良い関係を築いている。
いろいろあったけど、なんか少しづついい感じになってきたなって。
相変わらず一匹狼であまり深い付き合いはない。
ただ、不思議と鳴沢了を気遣ってくれる同僚は結構いてるようで、正義感の強いこの男に惹かれてる人は多いようで。
今回の話で1番良いのは、相棒である今(こん)と言う刑事。
認めは相撲取りと間違われるほどの巨体に、他を圧倒させるほどの食欲。
鳴沢了もその食べる量に圧倒され、嫌悪感すら覚えていくが、刑事としての優秀さに気づき、良き相棒として頼っていく。
その過程が非常に、なんか嬉しくなる。
何だろうか、見た目に反して優秀で、しかも鳴沢了と同様に正義感も強い。
通常はほんわかしてるんだが、いざとなると頼りになる。
あと小野寺冴と実は知り合いで、あってすぐに始めたケンカはマジで面白かった。
それまでの今刑事の振る舞いから、一気に変貌しての様相。
怒りながら食ってる讃岐うどん。
まぁ、最終的にはこのタッグも大活躍するんですが。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:4
意外と堂場瞬一氏の小説って読みやすいです。
慣れたからかな。
少し斜め読みで読んで、あれ?って思うと再度読み直すって感じでも十分内容がわかる。
先が知りたくてついつい気持ちが焦って読み進めてしまいますが。
◆意外度
意外度:4
いろいろ途中で混乱してくるが、最後にたどり着く真相にビックリ。
まさかの展開が、これいいわって。
だから後半は夢中で読んでしまった。
◆夢中度
夢中度:5
これは5を付けさせて貰いますよ。
だって本当に後半は一気に読みましたからね。
この本は、結構分厚いんだけど、3日ぐらいで読んでしまったかな。
最初はスローペースだったんですけどね。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:3
これは最後をもっともっと読みたいなって。
どうなったかをきちんと書いて欲しかった。
最後に今刑事と別れるところはいい感じだったんですが、それからどうした!って突っ込みたくなります。
そのせいか、次の作品を読みたくなってしまったので、これも作者の作戦なのか。
なんか、のせられたなって。
だからスッキリ度で言うと、中評価となりますね。
総合評価:4
読みやすさ:4
意外度:4
夢中度:5
読んだ後のすっきり度:3
読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。