
「そろそろリーマン級ショックが来るのではないか?」
SNSでも、YouTubeでも、投資界隈では定期的にこの話題が浮上します。
たしかに過去を振り返ると、世界的な金融ショックはおよそ10年前後の周期で起きているようにも見えます。
2000年前後のITバブル崩壊。
2008年のリーマンショック。
2020年のコロナショック。
この並びを見ると、「次も来るのでは?」と考えてしまうのは自然なことです。
では本当に、また“リーマン級”のショックは来るのでしょうか?
- ■ 10年周期説は本当か?
- ■ 最近は“すぐ戻る”理由
- ■ それでもショックは起こる理由
- ■ ショック時の“円高”は続くのか?
- ■ 貯金が最強なのか?
- ■ 30%下落に耐えられるか?
- ■ 学習しないのか?
- ■ 本当にリーマン級は来るのか?
- ■ 投資家ができる現実的な対策
- ■ 最後に
■ 10年周期説は本当か?
まず確認しておきたいのは、「10年周期」というのはあくまで“結果論”だということです。
ITバブル崩壊は、インターネット企業への過剰期待。
リーマンショックは、米国の住宅バブルとサブプライム問題。
コロナショックは、パンデミックという外的要因。
原因はすべて違います。
つまり、「10年ごとにタイマーが鳴る」わけではなく、
人間の過熱(バブル)→崩壊→回復→また過熱、
というサイクルが、結果的にそのくらいの期間になっているに過ぎません。
経済は、人間の心理で動いています。
欲望と恐怖。
この繰り返しです。
■ 最近は“すぐ戻る”理由

面白いのは、最近の暴落は回復が早いことです。
2020年のコロナショックでは、株価は約30%下落しましたが、その後は急回復しました。
各国の中央銀行がすぐに金融緩和を行い、SNSでは楽観論が広がり、個人投資家も積極的に買い向かいました。
今は情報が一瞬で広がります。
AIもあります。
市場参加者も過去のショックを知っています。
そのため、暴落しても「これは買い場だ」という声がすぐに出る。
これは昔とは大きく違う点です。
■ それでもショックは起こる理由
では、AIがあり、情報が瞬時に共有される現代で、なぜ大暴落はなくならないのでしょうか?
理由はシンプルです。
人間はパニックになるからです。
どれだけ分析していても、 自分の資産が30%減ったら冷静でいられるでしょうか?
理屈では「売らなければ損ではない」と分かっていても、 恐怖は理屈を超えます。
さらに、レバレッジや信用取引が存在する以上、 強制的に売らざるを得ない人も出てきます。
AIがあっても、 人間の感情を完全にコントロールすることはできません。
だからボラティリティはゼロにはならないのです。
■ ショック時の“円高”は続くのか?
過去のショック時には、円高が進みました。
リーマンショック時も、コロナショック時も円高方向に動きました。
日本は少子高齢化。
かつての「Japan as No.1」のブランド力も弱まっています。
それでもショック時に円が買われる理由は、 円キャリートレードの巻き戻しです。
普段は低金利の円を借りて、ドルや新興国通貨に投資します。 しかし危機になると、そのポジションが解消され、円が買い戻される。
皮肉ですが、 世界が混乱すると円が強くなることが多いのです。
■ 貯金が最強なのか?
ショックが来て、円高・株安が進むと、
「やっぱり投資なんて危ない」
「貯金が一番」
と言う人が必ず出てきます。
確かに、短期的には現金が最強です。
値下がりしませんから。
しかし、ここで考えるべきは“時間軸”です。
リーマンショック後、世界の株式市場はどうなったでしょうか?
コロナショック後は?
結局、長期では回復し、さらに高値を更新しました。
問題は、「持ち続けられるかどうか」です。
■ 30%下落に耐えられるか?

仮に今後、30%の下落が来たらどうでしょう?
1,000万円が700万円になる。
冷静でいられますか?
ここで売ってしまえば、損失は確定します。
しかし持ち続ければ、回復する可能性は高い。
歴史的に見れば、 大きなショックの後には、より大きな回復がありました。
■ 学習しないのか?
「人類は学習しないのか?」 という疑問もあります。
でも実は、学習はしています。
金融規制は強化されました。
銀行の自己資本比率も高まりました。
中央銀行の対応も早くなりました。
だからこそ、最近は“崩壊級”にはなりにくいとも言えます。
ただし、想定外は必ず起きます。
コロナのように、誰も予想できなかった出来事が世界を揺るがします。
■ 本当にリーマン級は来るのか?
結論から言えば、 「いつかは来るが、いつかは分からない」
これが正解です。
10年周期が続く保証もありません。
明日来るかもしれないし、あと20年来ないかもしれない。
だから重要なのは予測ではなく、準備です。
■ 投資家ができる現実的な対策
・生活費の半年〜1年分は現金で確保
・レバレッジをかけすぎない
・分散投資をする
・暴落を前提にポートフォリオを組む
これだけでも、生存確率は大きく上がります。
ショックは「異常事態」ではなく、
「周期的に来るイベント」
と考えた方がいいのです。
■ 最後に
投資をしていない人は、暴落時に安心します。
投資をしている人は、不安になります。
しかし10年、20年という時間軸で見れば、 資産を増やしてきたのはどちらでしょうか。
ショックは怖いものです。
でも、それは市場の一部です。
重要なのは、 「ショックが来るかどうか」ではなく、
「ショックが来ても生き残れるかどうか」。
歴史は繰り返します。
でも、同じ形では繰り返しません。
次のショックがリーマン級かどうかは分かりません。
しかし、来る可能性をゼロとは言えない。
だからこそ、 恐れるのではなく、備える。
それが2026年以降を生き抜く投資家の姿勢ではないでしょうか。