最近、なんか小説を読む時間がなくて、なかなかこのサラリーマン書評を書く機会がありませんでした。
久しぶりに読んでこの本は、めちゃくちゃ面白かったです。
確かに動機が弱いような気もしますが。
「六人の嘘つきな大学生」。
タイトルは、なんか面白そうな感じはしないんですがね。
しかし、これはかなり面白かったかな。
ほぼ1日で読んでしまいました。
説明・あらすじ
IT企業のスピラリンクスの最終選考会。
最終選考会に残ったのは、6名の大学生。
九賀蒼太(くがそうた)
袴田亮(はかまだりょう)
八代つばさ(やしろつばさ)
嶌衣織(しまいおり)
波多野祥吾(はたのしょうご)
森久保公彦(もりくぼきみひこ)
最終選考はグループディスカッション。
選考日は1ヶ月後と告げられた6人は、チームワークを築くために、週2会のミーティングをすることに。
お互い協力しあい、どんな課題が出てもいいように、準備をしている中、グループディスカッションの課題の変更が、スピラリンクスから伝えられた。
「6人の中で誰が最も内定にふさわしいか」を議論することに。
チームワークを築き上げた6人が、1名の内定者を議論することに。
最終選考日。
ある事件が。。。
それにより、最終選考会は、意外な方向に。
読んだ時の感想 注!ネタバレ
犯人は誰かという本なので、どこまで書いていいのか。。。
一応ネタバレとは書いてるんですが。
なるべく犯人が誰かがわからないようには書こうとは思いますが。
最初から引き込まれます。
なんでかな。
まず、登場人物が少なく、非常にシンプルであるということ。
最終選考会のルールが変わることにより、誰かが犯人となるミステリーかなって思い、そこから犯人探しが始めるんだけど。
そこからが非常に巧妙に、読者の読みを崩されていく。
読んでいると、あれ?って思うところがちょこちょこあるんだけど、最後までには必ず納得させられる説明がある。
回収がしっかりしてるというのかな。
この本を読み終わると、嫌な気分はなくなり、ただ単に日本の就職活動に対する疑問だけが残る。
疑問というか、就職って、すごく大変なことであるが、選考するというのが、非常に難しいということ。
運というのが、非常に大きいという理不尽さが。
年功序列や、終身雇用が崩壊しつつあるとはいうが、日本ではなかなか解雇できないので、やはり多くの人が最終就職先という思ってる。
また転職すると、坂道を転がるように年収が下がることが多いため、一度入った会社にしがみつこうとする。
新卒であればいいけど、就職浪人すると、それだけで不利になったりもする。
欧米のような雇用制度がいいのか。。。
それは難しいね。
流動性は上がるが、企業側がそれに対応していない。
ジョブ型が浸透しつつあるが、企業内を見れば、隣の人が残業していたらヘルプしろって言われ、その会社のいろんな仕事を覚えることを求められる。
転職した人がすぐに活躍できるという場ではなかなかない。
小説の話とは離れてしまいましたが、そういうところも考えさせられましたね。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:5
読みやすかったな。
登場人物が少なく、一人一人をしっかりと読みこめる。
この中に犯人?
その前提をしっかりと書いてくれたため、他に悩まされることはなかった。
◆意外度
意外度:4
この人怪しいなと思いながら読むが、ことごとく裏切られる。
いい意味で。
最後まで本当に、圧倒される意外度の連続。
◆夢中度
夢中度:5
ほぼ一気読みしたので、夢中度は5だろうな。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:4
これ、以外とすっきりする。
登場人物に対する、なんというか。。。
とにかくスッキリする。
4である理由は、先ほど書いた、日本の就活制度に対するもの。
これは物語とは関係ないようで、実はそれが軸であったりする。
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読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。