今回は、「蟻の菜園」。
柚月裕子氏の作品です。
柚月裕子氏は、いろんな作品を出していて、凄く好きな作家の一人です。
何だろう、読んでいて非常に引き込まれる、独特な魅力が、柚月裕子氏の作品にはあるんですよね。
今回も、他の作品同様に、非常に面白かったですね。
ただ、いろいろ考えさせられました。
読んだあと、スッキリかというと。
うーん、それはあまりなかったかな。
説明 注!ネタバレ
フリーライターである、今林由美。
次のネタとして選んだのは、結婚相談所に登録していた男性が、次々と亡くなっていた事件。
その容疑者について、非常に興味を持ち、その生い立ちを記事にするという物でした。
容疑者と言っても、実際の事件が発生したときには、しっかりとしたアリバイもあり、どう考えても共犯者がいないと成り立たない。
しかし、この容疑者である、円藤冬香は、人との付き合いもなく、携帯の履歴を調べても何も出てこない。
今林は、人物像を探るためにいろいろ調べていくうちに、ある違和感を持つようになる。
北陸との関係が、どうしても引っかかる。
今林は、北陸に向かうことに。
強力な助っ人となる片芝敬の助言をもとに、意外な事実が浮かび上がってくる。
読んだ時の感想
序盤は疑問がドンドン湧き上がってくる。
しかし、途中から、気持ちの悪い、家庭内DV、子供の虐待の話になってくる。
もうほんとにムカムカしてくる。
いつもこういう話が出てくるとムカムカしてくる。
アルコール依存症で、車の中で生活してる、ろくでもない男。
子供二人いてるが、ろくにご飯を与えずに、暴力をふるう。
酒の力でいばり、外に出るとへいこらする。
典型的負け組。
オレをばかにするな!って、子供に暴力を、振るう。
ほんとに見ていて腹が立つ。
育てられないなら、早く子供を施設に預けて、子供だけでも普通の生活させてあげろよ。
子供は大人の所有物ではないぞ。
あと、なぜ世の中って、こんなに甘いんだろ。
暴力をふるう大の大人が、ほんとに更生すると今だに信じてるのか?
悪いけど、いくら表面上、反省してる。真面目に働きます。
って言っても、信じられないわ。
依存症の人は、元々の心の弱さがあるから、ほぼ治らない。
アルコール依存症の人なら、病院で絶っても、社会に出ると必ずまた戻る。
これ、ほぼ100%だと思うが。
日本は簡単にお酒が手に入るからな。
だから、お父さん、病気克服したよ。
お父さんも、また一緒に暮らしたいと言ってるよ!
って言ってる大人の頭の弱さを読んでいて、無性に腹が立ったわ。
まぁ、小説だから仕方ないんだけど。
あと、パチンコ依存症。
あれ、もうクズだから。
パチンコ依存症って聞いただけで、同情の欠片もなくなる。
親が親ならって。
生い立ちも当然あるんだが、やはり同情出来ない。
こんなに酷い目にあって、頑張ってきたのに。。。
って言葉が、真面目ってパチンコしててか?って言う見方になってしまう。
残念というか、この感覚は、ほんとに分からないので、もう読んでて、アホか!って言う思いしか出てこなくなった。
パチンコ屋からでるとき、もう二度としないと誓っても、次の日にはまた無性にいきたくなって。って。
気がつけば、サラ金から金借りてたって。
典型的なアホやん!
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:4
ストーリーは意外とシンプル。
登場人物も少なく、頭に入りやすいね。
途中は、途中でそれぞれの登場人物に注力すればいい。
あとで勝手に繋がってくるから。
◆意外度
意外度:4
この辺は、柚月裕子氏の真骨頂かな。
謎解きというか、複雑な背景に、最後、なるほどって言う感じ。
◆夢中度
夢中度:5
この本は、土曜日の夜から読み始めて、日曜日の夕方に読み終わった。
もちろん、いろいろ、子供達と遊びながら。
と言うことは、それだけ夢中になったってことだな。
面白いとついつい読み進めてしまうから
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:3
これは、スッキリ度で言うと微妙。
先ほど言ったように、子供の虐待。
ギャンブル依存。
大人の安易な判断。
全てイライラする。
やはり、子供を虐待する親への処罰は軽いと言わおえないな。
それにそんな親が望めば、また子供と一緒に暮らせるって。
甘すぎるわ。
読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。