今回は、「時限病棟」。
知念実希人氏の作品です。
知念氏の作品といえば、「崩れる脳を抱きしめて」ですね。
あと、「仮面病棟」ですね。
今回のこの「時限病棟」の舞台は、「仮面病棟」の舞台と同じ田所病院です。
話も繋がっています。
なんか、最近話題のキューブにも似た感じの物語になっています。
面白い反面、少し出来過ぎの感はやはりありますね。
この出来過ぎ感は、最近のドラマでも良くあります。
犯人の思惑通りにことが進み、なぜか見つからない。
いやいや、現実はそんなに甘くないよって。
説明・あらすじ
あるベッドの上で目覚めた倉田梓(くらた あずさ)。
そこは、病院と思われる一室の中にカーテンで囲まれたベッドの上。
なぜ、そこにいるのか、さっぱりわからない状況。
昨日の記憶がほぼない状況で、おそらく何者かに連れてこられたのは確かだと。
しかしさらに驚くべき事に、同じように連れてこられた人が、他に4人も。
その5人の前には、ピエロが描かれた謎を解くための指示が。
脱出ゲームの要領で、謎を解き、真実にたどり着けと。
徐々に明らかになる、ある事件の謎。
驚くべき真実と犯人は?
読んだ時の感想 注!ネタバレ
これ、結構前作読んでいたら、なんとなく違和感をすぐ感じることができますね。
あれ?って感じで。
まぁ、もともとリアル脱出ゲームの舞台になっていたところなんで、ある程度の仕掛けもわかる。
しかし、もっと別の方法でのやり方があるだろうって。
目的と手段があってないというか。
これだけの施設があるなら、普通に拷問という方法を選びそうな気がするが。
こんな関係者を集めて、推理させるって、何も起こらないことの方が多いのではないかな。
偶然、リアル脱出ゲームにハマっている人がいるというのは、そもそも計算されていたのか。
これも疑問だけどな。
どっちが先なのか。
倉田梓がいたから、このようなことを考えたのか。
それとも偶然なのか。
全く答えに辿り着けない場合もあったと思うしね。
それに跡形もなく、何人も拉致できるのか。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:4
登場人物が少ないので、わかりやすい。
ただ、トリックについて考え出すと、なんかすごく複雑な感じに見える。
どこまで計画的なのか。
最後の種明かしは、ちょっと難しいかな。
あと、必然性とか考え出すと。
もっといい方法あるだろって。
◆意外度
意外度:3
前回の仮面病棟を読んでると、なんか透けて見えてくる。
あれ?っていう違和感が。
となると、意外度は意外と少ないかな。
しかし最後の最後はよくわからなかったな。
◆夢中度
夢中度:4
どうなるかわからないなって言うことで、かなり夢中になって読みましたね。
こういった本は、あっという間に読んでしまいますね。
作家さんには申し訳ないんですが、購入して2、3日で読んでしまうと、どうしてももったいないなって感じてしまいますね。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:3
なんか微妙。
前にも書いたんですが、なんかまどろっこしいというか。
うまく行き過ぎというか。
なんかかなり無理矢理っぽいな。
スッキリしないぞ。
読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。