今回は、「国士」。
楡周平氏の作品です。
なんか面白そうなので、ちょっと借りてみました。
読んでみると、正直なんか色々問題があり、言いたいことがいっぱい。
もう、なんか途中でムカムカしてきましたね。
特に外資からきた経営者たち。
日本って、なんで外資で鍛えられた経営者とかを崇拝するんですかね。
外資って、かなり利益を出す企業がある一方、それ以上に多くつぶれてますよね。
なのに、なんで日本式の経営をバカにするんでしょうか。
日本って、長い間続けている企業って多いですよね。
もっと日本式の経営に徹している企業を大切にしないと。
説明・あらすじ
創業者の篠原悟。
手がけるのは、カレーチェーン店。
イカリ屋。
カレーチェーン店としては、日本を代表する企業にまで成長させたが、今後の日本の経営を考えると、不安になる。
そんな時に、経営企画室長の山添、堂上がアメリカ展開の提案を持ってきた。
今後の国内での事業を考えると、アメリカへの進出は検討に値する提案だった。
篠原は、アメリカへの進出を実現するために、外からプロ経営者の中でも特に優秀と評判の相葉を社長に迎え入れた。
条件として、経営には今後口を出さないという理由で。
しかし、相葉の経営は、イカリ屋のこれまでのやり方とは全く正反対のものであり、非常に冷酷なものとなった。
読んだ時の感想 注!ネタバレ
この本は、かなり面白かった。
というのも、外資系の経営方針と、日本の古き良き時代の経営。
あと、ところどころに日本の今の問題点や、フランチャイズ業界の闇。コンビニ業界の闇が、きちんと描かれている。
このブログでも言っていた、コンビニ経営だけは、どんなことがあってもやったらあかんていうのが、この本読んでもよくわかる。
もう、今の時代、コンビニ経営で死にそうだというのは、同情の余地がない。
それはもういろんなところで言われていることで、その上で参加したんだから、もうそれは自己責任だろう。
山添の友達である奥村が、コンビニ経営について「楽じゃないどころか地獄だよ」
って。
そりゃそうだろ。
全てが本部に有利にできてるシステムなんだから。
その上にやめようにも、違約金が膨大すぎてやめるにやめれない。
これは、もうひどい。
東大阪のセブンイレブンが、ひどい仕打ちにあってたが、やることなえげつない。
外資のやり方というのをやたらと使う。
しかし、これっておかしくないかって。
確かに利益出してる企業はあるが、それ以上に潰れてる企業もおおいだろ。
なのに、なんで外資のやり方っていうのが、受け入れられるんだ?
なんか、冷酷になれば、かっこいいって思ってる感じごスゴいしてたな。
情があるとかっこ悪いとか、「何言ってんだ」って思われたり。
最近見た韓国ドラマで「イテオンクラス」ってのがありましたが、それと同じ感じでしたね。
もちろん、商売は人と信頼っていう主人公が勝ちましたが。
本の中でも言ってましてが、外資、海外の企業が簡単に人をクビにするのは、それだけ人の流動性が高いからであって、日本のように再就職が難しい国では、そもそも成り立たないんですよね。
外資のやり方を日本で取り入れるなら、最初にその辺をクリアしないと。
日本では、転職すればするほど、給与は下がっていきます。
50代のベテランなんか、再雇用が難しいですからね。
本当であれば、相応のキャリアがあるのに。
まあ、日本の終身雇用が使えない50代を作ってるのも事実ですが。
しかし、プロ経営者がほんとにすごいかは分かりませんね。
ゴーンとかいましたからね。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:4
経営というか、ビジネス関連の本なんだけど、読みやすかったな。
だから、すーと読めてしまった。
◆意外度
意外度:2
意外度はなし。
なんか結構最後わかってしまう。
ただ、それでも期待通りだったので良かった。
◆夢中度
夢中度:4
こういう本は好きだから、夢中になって読んだな。
しかし、読んでるとムカムカしていたわ。
なんだ、こいつらって。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:3
最後、アイツらがどうなったか、もっと書いて欲しかったな。
他の企業にプロ経営者として迎え入れられたのか?
それとも、壊し屋として悪名が轟いたのか?
読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。