今回は、「教室に雨は降らない」。
伊岡瞬氏の作品です。
少し、伊岡瞬氏の作品とは思えないような雰囲気です。
小学校が舞台です。
主人公は、臨時の音楽講師の森島巧(もりしまたくみ)先生です。
この本も、図書館で借りてきました。
前回、伊岡氏の「本性」という本を買って読みました。
やはりおもしろいなっていうことで、図書館で伊岡氏の作品を2作品借りてきました。
その1冊目です。
2冊目は、「冷たい檻」です。
また、読み終わったら感想書きますね。
説明 注!ネタバレ
臨時の音楽講師、森島巧先生。
23歳で、両親の影響で音楽の道を目指しましたが、いろいろ流され、現時点では臨時講師。
小学校ということで、基本的には音楽を教えているんですが、いろいろな問題も起こります。
モンスターペアレント、イジメ、教師自身の問題、学級崩壊。
まじめな性格の森島先生。
時に熱く、時に冷静に。
おかしいと思ったことには、しっかりと意見を言い、自分なりに行動して、いつのまにか問題を解決していると。
もちろん、周りには見方もいれば敵もいると。
1年後、森島は、契約を更新するのか。
それとも別の道を歩むのか。
子供と触れ合うことに。
また、職場でのコミュニケーション、恋愛により、どのような決断をするのか。
読んだ時の感想
前回読んだ「本性」と比べると、なんかすごくいい感じだなって。
爽やかと言うか、小学校が舞台なので、なんか子供も素直と言うか。
教育の現場で問題となっていることをしっかりと題材にしていて、本当に考えさせられますね。
でも、やはり出てくる親の虐待問題。
これだけは、いつ読んでも腹が立つ。
なぜ、愛情をもって育てられないなら、すぐにヘルプを上げないのか。
なで、子供を親の所有物として見るのか。
本当に、腹が立つな。
なぜ、子供の虐待をする親に対して、もっと重い罰を与えられないのか。
その辺がもうもどかしくて仕方ない。
小学校の先生だけでなく、いわゆる先生って、大学を卒業してすぐに、周りから先生、先生って呼ばれるんだよな。
それに対しての勘違いと言うか。
普通の一般企業だと、新人ということで、仕事に慣れるよう結構苦労したりして。
また、下積みと言う感じで経験を積んでいくんですが。
その辺が、先生ってなんか特殊ですよね。
それに、やはり結構問題なのは、モンスターペアレント。
この問題は本当にきちんとしないとね。
教育委員会に訴えるというと怖がる教頭、校長。
なんだかなって。
もちろん、上から目線で、教師が威圧的だと問題だけど、逆に声のでかい保護者に対して、一方的に聞き入れるというのは、やはりおかしいって思いますよね。
保護者対策を専門にするひとなどを雇った方がいいですよね。
まぁ、割合は少ないけど、森島先生の恋の行方も、結構面白いですよ。
恋愛は、この小説の主ではないため、すごくのんびりと進んでいきますが、なんかほのぼのとしていい感じです。
ほんわかって感じですかね。
読んだ後、なんかほわってする感じですね。
良かったですよ。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:4
小説の構成も、題材ごとに明確に分かれていて、読みやすいですね。
各章で、題材が変わってきます。
先生も何人か出てきますが、比較的覚えやすいですね。
複雑な描写もなくて、すらすら読めます。
◆意外度
意外度:3
ちょっとづつ視点が異なるというか。
最初の見方が、あとで崩されたりと。
この辺は、やはり伊岡氏だなって。
単調な物語ではなく、真相がきっちりあって、少しミステリーのような。
◆夢中度
夢中度:3
面白いけど、次はどうなるんだっていうのはないかな。
時間があれば、ゆっくりと読書しようっていう感じ。
別に悪い意味ではないですよ。
のんびりと読書できる程度の夢中度っていう事です。
推理小説などは、もう次どうなるかって、少しの時間でも本を開いてしまうものもありますが、それはやはり少し疲れますからね。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:4
ほぼ5に近い4ですね。
4の理由。
もちろん当然ですが、やはり一臨時講師では、現場を変えることは絶対無理です。
だから問題は基本そのままです。
あと、やはり最後は、もう少しいい雰囲気で。。。
なんて。
読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。