凪良ゆう氏の本は、以前「流浪の月」という本を読みました。
内容は少し忘れてしまいましたが、いい本だったなっていう、うっすらとした感想はあります。
映画化もされたということで、いい物語だったんだろうなって。
この本も、ネットで調べて面白そうだったので、図書館で予約して借りました。
説明・あらすじ
ある島で同級生として出会った、青埜櫂と井上暁海。
どちらも家庭に問題があり、苦い生活を送っていた。
櫂は、男に依存する母親に。
暁海は、父親が外に女を作り家に戻らず、父親に依存し壊れかけの母親に。
そんな中、接近する2人。
やがて、就職の時。
2人は一緒に東京に行く約束をするが。
と、ここまでが第一章。
プロローグ、第一章から第四章、エピローグと物語は続いていきます。
第二章では、櫂が東京で漫画家として歩んでいく様子が描かれています。
読んだ時の感想 注!ネタバレ
忘れないうちに読んだ時から感想を書いていっています。
プロローグは、なんか色々としがらみや問題がある雰囲気がいきなり漂ってきます。
第一章を読むと、プロローグに出ている人物の背景がわかります。
えー、って感じになりますが、これは引き込まれる展開だなって。
このプロローグはうまく使用されているなって。
さて、櫂と暁海の親は、どちらもなんらかの問題があることがよくわかる。
男性に依存する女性。
どちらも本質的には同じ。
櫂は京都から男を追ってきた母親と一緒に瀬戸内にある島に引っ越してきます。
(描写から生口島かなって。。。)
島の人たちの噂好きが、これでもかと描写されていることに、どうなんだろうって。
終始噂話しているわけではないんだろうが、特に話題もないとそうなるのかなって。
若い人や移住者が、嫌な感じになるってわからないのかなって、読んでいて思いましたね。
そこは田舎あるあるなのか。
第二章以降になると、櫂は東京に。
漫画家として徐々に成功していく姿は見ていて気持ちいい。
漫画家は成功するのはほんの一部だと思うが。
そこにもやはり問題が。
これはマジで怖い。
ただ、なんだ?この親っていう行動がアホすぎる。
自分の息子がゲイだと信じられず、相手を訴え。
そのためにマスコミにその話がもれ、大ごとに。
顔など晒され、余計に状況を悪化させるアホさにはほんとにびっくりした。
酷すぎるアホさだ。。。
何がしたかったのかって、普通に思ったわ。
自分で火をつけ、自分の家が焼けたという。
それにより一転する人生。
櫂と、暁海との関係にも変化が。
うーん、男ってなんでこうアホなんだろうって。
失って気づく大切な人。みたいな。
事件をきっかけにどんどん落ちていく櫂。
前を向いて歩き出す暁海。
この逆転がまた胸が痛む。
なんか、本当にひどい人は出てこないで、すごく安心して読めるいい本だなって。
いかにも意地悪な人がいると、本当に気分が悪くなりますからね。
世の中、意外とそんなにひどい人いないですからね。
最後の花火は、本当に胸が痛みます。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:5
登場人物は少なく、かつ明快な文章。
とても読みやすかったですね。
スラスラって読める。
いい感じで読めて、読み終わるのが勿体無いと思うほど。
◆意外度
意外度:3
意外度はないですね。
淡々と物語が進んでいく。
急な展開というのは意外となく。
この本に意外度は求めるものではないかと。
◆夢中度
夢中度:5
ずっと読んでおきたいなって思う小説でしたね。
いい本でした。
夢中になって読みましたが、少しづつ大切に読むという感じでしたね。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:5
最後の最後まで納得。
プロローグで少しうん?ってなりますが、その理由も後半きちんと明快に解決されます。
とてもいい本でしたね。
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読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。