最近、なかなか書評をかけていませんでした。
本を読んでいなかったわけではありません。
逆に図書館から本を借りて、めちゃくちゃ読んでました。
そんな中、久しぶりに自分で本を買いました。
それがこの本です。
「存在のすべてを」 著者:塩田武士
結構重厚な感じで、表紙も白くてなんかかっこいいです。
帯にも当然惹かれましたね。
図書館で予約していたんですが、待ってる人が多すぎて。
1、2年はかかるのではという感じだったので、買いました。
この本は買って大正解でした。
本当に、本棚があれば一生ものとして残しておきたいぐらいです。
今回はこの本を紹介します。
説明・あらすじ
30年前に神奈川で発生した同時誘拐事件。
当時警察担当の記者だった門田。
ガンダムプラモデルという共通の趣味を持っていた旧知の刑事の死をきっかけに、被害男児の「今」を探ることに。
結局未解決となった誘拐事件の謎とその後の関係者の状況。
真実を求め取材を進めるたびに、事件の側面が浮かび上がる。
そして、ある写実画家の存在が浮かび上がり。
読んだ時の感想 注!ネタバレ
最初から引きこまれます。
展開が面白すぎる。
そして、悲しい場面も。
結構小説を読んでいると、思わず突っ込んでしまいそうなこともあるんですが、この本は本当に人を観察されて書いてるようで。
すごくすんなり入ってくる。
なんで、事件に巻き込まれる!って突っ込むところもほぼなく。
まぁ、あるとしたら、誘拐された孫を助けるおじいちゃんの暴走。
おいおい、なんでそこで警察の指示に従わない。
って、少し突っ込んでしまいましたが。
一代で地位を築いた老人は多いとか。
その辺はそうなのかなって。
後半はもう本当に涙ポロポロ。
これは親であれば当然理解できる心境か。
子供の存在がこんなに生活に影響を与えるのか。
一つ一つの仕草がこんなに愛おしいものなのか。
その後のことが事前に書かれているだけに、生活のすべてが哀しく見えてくる。
もう悲しすぎる。
けど、いい未来でもある。
そこが他の物語と異なるところか。
この本は本当にみんなに読んでほしいなと思いました。
こういう本にたまに出会うと、日本人はもっと本を読んで、いい作家をもっと大切にしないといけないだろうって思いますね。
素晴らしい物語をどんどん生み出してほしいです。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:3
やはりボリュームがあるのと、前振りなくいきなり話が始まるなど。
最初は少し読みづらい感じがありました。
後半は慣れてきたのか、スイスイ読めましたが。
◆意外度
意外度:3
最初の方で、大方の予想はできてしまいます。
著者もその辺は理解されているようで。
そこを踏まえて物語が続くという感じですね。
◆夢中度
夢中度:5
読み始めると、時間を惜しんで読んでしまいます。
しかし逆に後半は、涙腺が緩みしぎて、電車の中では読めません。
それにもったいないという感じが。
こういう感覚は珍しいです。
読み終わるのは惜しいという感覚。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:4
もうあと人おし。
すっきりとするには、あと、もう一人。。。
それ以外は完璧です。
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読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。