今回は、「天使のナイフ」。
薬丸岳氏の作品です。
前回の「神の子」で、薬丸岳氏の作品に非常に興味を持ちました。
図書館で見てみると、この本が目につきました。
少し題材的には好みではなかったんですが、読んでみることにしました。
結果は予想以上に面白かったです。
説明 注!ネタバレ
幼い子供の前で、妻が殺された。
犯人はなんと、14歳の少年3人。
逮捕されることもなく、施設に預けられた少年たち。
月日が流れ、少年たちも施設を出てるとのこと。
そんなある日、近くの公園で、少年3人のうちの1人が殺された。
当時、テレビのインタビューで、「殺してやる!」と発言したため、疑われることに。
それを機会に、事件後の少年たちがどんな生活を送っていたかを調べることにしたが、続いて起こる事件。
何者かが、事件の少年たちを襲っている?
調べていくと、真相が次々に明るみに出、娘に危機が。
賞を取った圧巻のストーリー展開。
これはうなるぞ!
読んだ時の感想
天使のナイフ。
すごいタイトルですね。
少し似た感じもしますが、こっちの方がソフトです。
まず、感想としては、やはり主人公の桧山も感じてるように、被害者より少年を過剰に保護する法律に対しての憤りです。
人を殺してるという行為に対して、明らかに刑が軽すぎます。
この本の中で、著者が書いているように、過剰な人権主義と子供への過度な更生期待。
13歳の少年3人に殺された妻のどこに非があったのか。
人を1人殺しておいて、施設で共同生活をするだけで免除されるって、普通に考えたらないだろうと。
今の世の中、世界中で小さな子供による犯罪も発生しています。
確かに13歳というと、分別がつかないというか、きちんと判断できないところはあるでしょうが。
でも、罪を犯したら、罪を償うと言うことを教えないといけないと思います。
例え13歳でも。
でないと被害者はたまったもんじゃありませんよ。
もし、万が一でも自分の子供がそういう罪を犯したなら、私ならもう厳しい処罰を受け入れるしかないと考えています。
ただ、事件の内容はしっかりと検証してからです。
本当に故意なのか。
偶然なのか。
ネタバレになりますので、自分で読みたい場合には、この下のコメントは飛ばしてください。
結局、少年Cの悪意には、誰も気がつかなったんですよ。
少年Cは被害者だと言う人もいたぐらいですが。
少年Aも、結局改心することはなかったし。
3人のうち、改心したのは1人しかいなかったんですよ。
やはり、性格というか、そういうものはそう簡単には変わらないんですよ。
短気な性格な子が大きくなって、落ち着くというのはありますが、意地悪な子は、やはり大きくなっても意地悪なんですよ。
うーん、これは本当に被害者の立場になると、理不尽としか言いようがないですね。
加害者側の家族に立場を置き換えても、被害者の気持ちを考えると、いたたまれないよな。
あと、なんで少女ってすぐに人についていくんだろうか。
いつも思うんだよな。
怖さがなさ過ぎるというか、それやばいだろってわかりそうなのに。
読んでいても、(あかん、ついていったら)って。
結構本読んでいると、そういう場面多いんだけど、いつも不思議に思いますね。
街で声かけられてついていく時点で、もう危ない目に合わせてくださいって言ってるようなもんだと思うんですが。
自分たちが悪いんですって、謝罪してましたが、実はその通りなんですよね。
反抗する気持ちがあるなら、公園でじっとしておく。
または友達の家にいる。
それが一番だと思うんですがね。
最後、少年Cがすれ違いざまに「また、少年Aか」っていうが、お前、もう今までの少年Cの時とは違うぞ!って言い返して欲しかったな。
まだ気づいていないのか。
主犯というか、ただついていっただけという立場と、あきらかに違うぞ!って。
その時の少年Cの表情が正直見たかったかな。
犯罪犯しても、軽い罪でいいわ。とか。
少年だから、いいわとか。
本当に腹が立ちます。
著者も、刑が軽い日本って書いてたけど、本当にそう思いますね。
海外で刑務所に入れられるとなったら、生きるか死ぬかという世界でしょ。
日本人がアメリカの刑務所に入れられて、生きて帰ってきたということで話題になったりしますからね。
しかし、日本は逆で、刑務所の中は、人権・人権で守られていて、快適だっていう人もいるじゃないですか。
ホリエモンも、刑務所入って、規則正しい生活ができて痩せられたって言ってたし。
これいいんですかね。
生活に困った人が、死刑にならないギリギリの犯罪を犯して、無期懲役を狙う事件も起きてますよ。
もう、いい加減考えましょうよって。
でないと、日本は犯罪天国になってしまうようで怖いですよ。
外国人は、外国で犯罪を犯すよりも、日本で犯した方がいいって、もう気づき始めてるんじゃないですか。
日本国籍を取得してから、犯罪を犯す外国人も、今後増えそうですね。
怖いな。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:3
少し登場人物に混乱するね。
何故だろうか?
すんなりと読める反面、なんか引っかかる。
◆意外度
意外度:5
意外度は極上!
ちょっと読み返したくなるかも。
少しづつだが、違和感が最後にすっとくる。
これは、最高だね。
◆夢中度
夢中度:4
面白かったから、夢中になって読んだね。
最近は、結構時間があったから、本ばかり読んでたからかな。
まあ、でも、面白くてあっという間に読んでしまいました。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:4
まあ、すっきりはしたが。
しかし、少年Aに対しては、今度は前回とちゃうぞって、はっきり言いたいね。
ニヤニヤした顔が、ゆがんでいくのを見たかったかな。
ほぼすっきりです。
読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。