おぐけんブログ 悠々自適の投資生活を目指して

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【サラリーマン書評】「虚夢」薬丸岳~刑法三十九条はなんのために必要なのか?問題提起する物語

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今回は、「虚夢」。

薬丸岳の作品です。

 

最近連続して薬丸氏の本を読んでます。

今回もかなりの問題提起作です。

刑法三十九条。

普通に言われても、ピンとこないですよね。

しかし、みんな知っていて、みんななぜこのような刑法があるのか不思議だと思ってる。

心神喪失者の行為は罰しない。」

心神耗弱者の行為は、その刑を軽減する。」

 

日本の過剰な人権意識が、多くの被害者の人権を踏み躙り、またこれにより、さらに差別を助長しているという現実。

 

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説明 注!ネタバレ

場所は、北海道。

心神喪失者による通り魔事件によって、幼い娘の命が奪われた。

そのため、三上孝一と妻の佐和子は、離婚して別々の生活をしている。

そんなある日、佐和子から連絡があり、「あの男を見た!」と。

あの男とは、幼い娘を亡き者にした男。

 

刑法三十九条により、守られ、刑罰を受けることがなかった男。

精神を病んでいく元・妻 佐和子の願いを聞き、再び追い求めることに。

 

読んだ時の感想

刑法三十九条。

正直なところ、なぜこのような刑法があるのか、理解できません。

理解できている人は、教えてほしい。

 

確かに、罪の概念と言うか、責任能力がない。

刑罰を与えられても、反省もできない人間を罰しても、罰にならないっていうのはよくわかる。

しかし、問題は、そこではなく、そんな人間が普通に、ごく近くに生きているということなんだ。

 

無邪気に人を傷つける人間が、普通に社会にいていいのか?

被害にあう人は、普通の健全に生きている人なんですよ。

そりゃ、その人に邪悪な心がないとしても。

 

そもそも動物は邪悪な心はありませんよね。

クマだって、人間を襲ってやろうっていう気持ちがあるわけではありません。

敵だと認識して、やらないと自分がやられるということで襲うわけです。

 

しかし、人間とは共存できません。

いつ襲われるかわからないからです。

 

そういう人間はやはり一緒には暮らせないのです。

 

誤解ないように言うと、心神耗弱。心の病気の人がすべてそうだというわけではありません。

逆に犯罪を犯さない人の方が大半です。

言いたいのは、一度でもそういう犯罪を犯した人はということです。

 

三十九条により、無罪放免された人は、社会に戻り再度生活を始めます。

そんな状況だと、心身障がい者を社会は受け入れられるでしょうか?

犯罪犯しても罪に問われないような人と一緒に生活できるでしょうか?

 

ある意味三十九条によって、被害にあっているのは、罪を犯すことのない心身障がい者の方々なのではないでしょうか。

 

今回の藤崎は、結局再度罪を犯します。

これ、また三十九条で無罪放免され、また同じことを繰り返すでしょう。

被害にあう人は、普通の人たちです。

 

 

総評

◆読みやすさ

読みやすさ:4

今回も重たいテーマでしたが、真剣に読みました。

比較的、この薬丸岳氏の小説は読みやすいです。

結構展開が早いからですかね。

 

◆意外度

意外度:4

薬丸氏の小説はどんでん返しが面白いですね。

今回もありますよ。

それも意外なところに。

でも、なんか清々しいかな。

 

◆夢中度

夢中度:5

この本も、前回読んだ「闇の底」に続き、1日で読んでしまいました。

もう本を書くのがもったいなくて。

本を買っても、1日で読んでしまうならもったいないですからね。

最近はもっぱら図書館で借りています。

いやー、図書館良いですね。

読みたい本があれば、リクエストすればいいんですから。

みんなもっと図書館を利用しましょう。

 

◆読んだ後のすっきり度

読んだ後のすっきり度:4

今回はひさびさのすっきり度。

ということなんですが、4です。

なぜなら、三十九条が残っているからです。

物語としてはすっきりなんですが、根本にある問題は三十九条です。

 

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読書について

本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。

いい意味でも、悪い意味でも。

時に深く考えさせられることもあります。

 

人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。

最近世間では本離れが進んでいると言われています。

 

本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。

ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。

 

もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。

 

駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。

 

もっとみなさん本を読みましょう。

そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。

ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。