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【サラリーマン書評】「黙過」下村敦史~短編集と思いきや最後に繋がる。結論が5つある。

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今回は、「黙過」。

下村敦史氏の作品です。

 

まだ図書館が開いていなかったんですが、ついつい本屋で買ってしまいました。

なんかタイトルと、表紙がすごくて。

 

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この本、2021年の徳間文庫大賞に選ばれた作品だそうです。

結構こういうのに弱いんですよね。

大賞受賞とか。

 

やはりお金出して買うには、やっぱりハズレは買いたくありませんからね。

こういう一種お墨付きがあると。

芥川賞とか、ああいうのは逆に信じないんですが、本屋さんが選ぶやつなんかは結構当たりが多いですね。
  

説明 注!ネタバレ

 

中の構成は5部構成となっています。

最初の4部は、短編集かなって思いながら読んでいました。

しかし、最後の章で全てが繋がります。

従って、前の章から順番に読んでいってください。

 

それぞれの章は、最初バラバラです。

 

交通事故で意識不明の患者。

臓器提供の意思を示していました。

運び込まれた病院は、臓器移植を頻繁に行う大病院。

 

担当は心臓外科医の准教授。

目の前には、肝臓移植しないと助からないという患者。

 

このような状況で、患者がいなくなった。

 

豚の養豚場で、臨月間近の豚のお腹の中から、赤ちゃんが無くなるという事件が。

どういうことだと大騒ぎ。

そこには、過激な活動をする動物愛護団体が。

 

今でも過激なこのような集団はいるが、ただ単に怖い。

こういう団体は本当に怖いし、自分たちが正義と考えているから、余計に厄介だ。

 

しかし、それはさておき、豚の赤ちゃんはどこに?

 

アルツハイマーを患った父親を介護する兄。

その父親が突然家出を。

心配した弟が家に戻ると。

 

真相を知った兄弟は。。。

 

プラスあと一話。

 

最後は、今までの話が、全て繋がる結末編。

今までの話で、納得したと思っていたけど、それはある意味錯覚。

本当の真相は最後の章を読まないとわからない。
 

読んだ時の感想

結構一話一話は、ちょっと最後の詰めが甘いかなって。

なんか、真相が分かったようで、少し納得いかないというか。

 

しかし、それはあくまで伏せん。

最後の結末の章で全てが明らかになる。

最後の章を読ませるために、あえて、話を小分けにして、前提を読者に伝える。

 

この本を読んでいると、いろんなところに現代の問題が散りばめらていて、考えさせられます。

 

まず大病院である出世争い。

患者よりも、いかに得点を稼ぐか。

若手の医者が、そんな姿を見つつ、患者のために働きたい。しかし、病院で辛い立場に立たされたくない。

そんな葛藤が、今の病院の問題なのか。

それともフィクションであり、ドラマや小説の中だけの話なのか。

 

豚の養豚場では、清潔さが一番。

病気、ウィルス感染が非常に問題となるから。

細心の注意を払っている。

 

感染が発覚すれば、大々的に報道されて、大変なダメージを受けるから。

そのダメージは、会社を潰すほどのインパクトがあります。

 

国は、そういうところに補償はしないのか。

国民の食を担う産業なのに。

 

また動物愛護団体

日本も相当痛い目に遭わされていましたね。

捕鯨について。

 

あと、昔ニュースでやってたけど、過激な動物愛護団体の女性が、血のついたような服を着てディズニーランドとかに現れるとか。

もう一体何を考えているのか。

肉を食べるために豚を飼う。

それはもう仕方ないこと。

 

それを止めてしまうと、日本産の豚が食べれなくなる。

なのに、動物愛護の団体は、豚が可哀想と、養豚業者を非難する。

こういう行為は犯罪じゃないかと思うが、警察や国は何もしてくれない。

マスコミは、報道するが、逆にそれが動物愛護団体にとっては、いい広告だと捉えられ、余計に過激な行動に出るという。

 

たちが悪いのは、動物が可哀想という、いかにも正論のような理論を言っているところ。

無駄なことはダメだけど、肉食動物が草食動物を食べるように、人も食べる。

それは仕方ないこと。

そのため、草食動物や、ピラミッドの下にいるものは、より多く種を残すような仕組みになっている。

 

魚も食べられるが、その分多くの卵を生みますから。

そうやってバランスを取ってるんですよね。

 

もし可哀想だとほっておいたら、数の統制が効かなくなりますよ。

豚もそう。

一度に10匹前後子供を産むそうですが、ほっておくと、大繁殖してしまいますよね。

もともと食べられることを想定し、そういう仕組みというか遺伝子的に組み込まれたんだから。

 

アルツハイマーによる家族の介護。

これも非常に悲しい現実ですよね。

仕事を休職して、父親の介護をしている兄。

 

介護するために生きているのかと、辛くなるのはよくわかる。

子供だから親を介護するのは当たり前なのか。

非常に難しい問題だろうな。

 

もっと国がサポートできないのか。

税金をもっとこういうところに使えないのか。

いつも思う。

 

働けるのに、働かないで生活保護を受給する家庭。

もっとしっかりとチェックして、そういうところの支出を減らして、介護などの支援をしてほしいよな。

 

今、チャイルドケアラーというのが問題となっています。

中学生や高校生が、親の介護をしている家庭です。

もう、これは国民全体で助けてあげないとダメでしょ。

これはほっといたらダメですよ。

 

子供が本当に可哀想だ。

なんとかならないんですかね。

 

最後は。。。

これいうとほぼネタバレになってしまうな。

読んでもらいたいので、これ以上は書きませんが。

 

人によって重たい問題と捉える人もいると思いますが、私は、どちかというと都准教授とほぼ同じ考えです。

倫理的とかいうけど、今の時点でも同じようなことは、されているし、普通の人もその恩恵を受けてる。

ある分野にだけ、なぜ?っていうのは違うだろうって。

 

なら、食べるために餌を与え、太らせることの方が、よっぽど悪ではないかと。

それは人間の欲求のためだから。

だから、もっと人のためになることは、それよりもずっと有意義だと思うと。

 

 

総評

◆読みやすさ

読みやすさ:4

短編集を思わせる感覚で読めるので、非常に読みやすいと感じますね。

ちょっと時系列が混乱するかもしれないけど、大筋にはそんなに関係ないので、あまり悩むことはないかな。

後半にある、「究極の選択」は、少し混乱するかも。

 

◆意外度

意外度:4

全てにおいて意外度がある。

ともあれ、最後にそれらが1つになる。

全ての答えがは最後に。

ちょっと気になるのが、それぞれの答えはあってるようで、実は・・

 

◆夢中度

夢中度:4

一話づつ読んで、一度区切れるので、夢中になるけど、読みやすい。

無中度で言うと、面白いから、読んでしまうね。

ただ、最初の短編集は、少し魅力度が下がるかな。

 

◆読んだ後のすっきり度

読んだ後のすっきり度:4

最後はすっきり。

全てが完結する。

途中にあったモヤモヤも、最後には綺麗に回収してる。

伏線がしっかりとあるが、読んだあとのスッキリ度はいいね。

 

 

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読書について

本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。

いい意味でも、悪い意味でも。

時に深く考えさせられることもあります。

 

人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。

最近世間では本離れが進んでいると言われています。

 

本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。

ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。

 

もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。

 

駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。

 

もっとみなさん本を読みましょう。

そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。

ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。