仮想通貨への投資
国家通貨(法定通貨)は、中央銀行が無制限に発行できる性質を持つため、時間とともに価値が希薄化する(インフレ)リスクがあります。
この点で、金やビットコインのように発行量が予め制限されている資産は、希少性を通じて価値を維持しやすい、あるいは上昇余地を持つ可能性があります。
たとえば、仮想通貨市場におけるビットコインの支配率(ドミナンス)は、現在およそ 56〜58% 程度と報じられています。
これは、市場全体の仮想通貨価値のうち、約6割近くがビットコインに割り当てられていることを示します。
2025年4月時点で、政府保有BTCは合計で約 463,741枚、総供給量の約 2.3 % に相当するという調査があります。 
中でも、アメリカ、英国、中国、ウクライナ、エルサルバドルなどが主要保有国とされています。 
ただし、国による保有は主に押収資産や準備資産という文脈であり、政策的に戦略保有しているかどうかは国によって異なります。
このような構図を前提にすれば、法定通貨の価値下落(インフレ圧力)は、現金資産を目減りさせ、むしろ株式や投資信託などの実物資産・成長資産を保有していることが相対的な防御策となります。
そしてさらに、希少性を持つ資産(ビットコインなど)をポートフォリオに組み込むことで、インフレヘッジや資本成長への期待を追求する戦略も成立し得ます。
もちろん、ビットコインには価格変動リスク、規制リスク、流動性リスクなどが存在します。
しかし、既に一部の国では法定通貨としての位置づけを採る動きがあり、金融機関や企業の間でも保有が広まりつつあります。
こうした流れを踏まえると、今後ビットコインの比重を段階的に高めていくという戦略は、リスク許容度がある投資家にとって一つの有効な選択肢になり得るでしょう。
高金利通貨への投資
円安時代の外貨戦略とスワップ投資の可能性 日本円は長期的に円安方向が意識されやすい状況にあります。
少子高齢化や輸入依存、イノベーション力の低下など構造的な課題が背景にあります。
ただし、日本総研など複数機関は「年後半から円高に転じる可能性」も指摘しており、為替は一方向には動かない点に注意が必要です。
外貨を保有することは、円安に備える有効な手段の一つです。
しかし、ただ持つだけでは資産が増えるとは限りません。
そこで注目されるのが、通貨間の金利差を利用して日々の収益を得る「スワップ投資」です。
メキシコペソや南アフリカランドなど高金利通貨を買い、円や低金利通貨を売ることで、毎日スワップポイントが受け取れる仕組みです。
とはいえ、スワップ投資には大きなリスクもあります。
為替が下落すれば、スワップ収入を上回る損失が出ることもありますし、スワップ自体も政策金利次第で変動します。
また、証拠金不足によるロスカットの危険も見逃せません。
そのため「低レバレッジでの運用」「通貨分散」「ドルコスト平均法による積立」が基本戦略となります。
為替投資は、株式や投資信託とリスク特性が異なる資産クラスです。
確実な円安を前提とするのではなく、複数のシナリオを想定しつつ、長期的な資産防衛の一環として取り入れることが現実的でしょう。