最近また新たな高利貸しの手口が注目されているようです。
それが、「給料ファクタリング」というもの。
なんかいろいろ出てきますね。
新型コロナウイルスの感染により、自宅待機も増え、今までのような収入が得られなくなっている人も多いと思います。
しかし、住宅ローンなど常に必要なお金もあり、困った人がこういうものに手を出ししまうということだそうです。
ネット広告などでは、「お金は借りたくないけど必要な方」とか「金融ブラックでお金を借りたくない方」へとか、うたっていますが、これ自体がほぼブラックという感じですがね。
給料ファクタリングとは
給料ファクタリング、または給与ファクタリングと言う言葉をしってますか?
私は今まで知りませんでしたね。
なんか少しかっこいい雰囲気がある言葉ですが、SEが知らないので、IT用語ではありませんよ。
これはどういったものか?
給料ファクタリングとは、「給料を受け取る権利」を業者が買い取り、手数料を引いた現金を渡す仕組みのことだそうです。
で、給料日に債権を買い戻してもらうことで、この業者には、手数料分の利益が発生します。
これだけ聞くと、手数料にもよると思うけど、闇金融と同じくらい怪しいってすぐ気づくと思うが。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、自宅待機などにより、給料が満額もらえない人が増えています。
時給換算で働いている人にとっては、自宅待機だと、そのまま給与削減となりますから。
住宅ローンなどの支払いや、そもそもの生活費用にも困っている人は、やはり結構な数いてると思われます。
そういう人たちを狙ったのが、この給料ファクタリング・給与ファクタリングと呼ばれる新手の、手法です。
すぐに現金を用意できますよ!とか、手軽ですよ!って、いつもの宣伝文句で客を集めているようです。
まぁ、こういうことを言っている業者にろくな業者はないと思うんですけどね。
給料ファクタリングの問題点
普通に考えると、まぁ手数料取る時点で、この手数料が問題なんだなってわかりますが。
あと、将来支給される給料で支払いするという点も、普通考えたらやばい!ってわかりますよね。
さて、改めてこの給料ファクタリングの問題を考えてみると。
まず、このファクタリングという言葉が問題です。
通常ファクタリングとは、売掛債権に保険をかけてリスクを回避したり、また未回収の売掛金を買い取ってもらえたりするサービスのことを言います。
日本の企業との間の取引では、信用取引が一般的であり、先に商品やサービスを提供し、後からその商品代金やサービス料を回収します。
しかし、こうした企業間の取引では、売掛金の入金が遅れたり、貸倒れになったりするリスクもあります。
ファクタリングというサービスを使えば、こういったリスクを回避することができます。
この給料ファクタリングというサービスは、合法的なファクタリングと言う言葉を使い、いかにもまともなサービスと見せかけ、高金利の金貸しを行っているという点です。
ある一例を示すと。
月給30万円の会社員がいます。
給料日前に、どうしても現金が必要となり、給料ファクタリング業者にサービス利用の申し込みをしました。
手数料として、2万円。その手数料を差し引いた現金の28万円を受け取ります。
ファクタリングということで、業者にとってはリスク回避として、ファクタリングを使用しているわけですが、これは、給料債権の譲渡という名目となります。
給料が出ると、会社員は、給料ファクタリング業者に30万円を支払います。
この場合で言うと、手数料として2万円をはらっていますが、これは実質的には利息です。
年利換算すると80%という金利となります。
利息制限法の上限は、最大20%ですので、十分高金利ですよね。
期日が給料日の2週間前だとすると、金利は160%にもなります。
これはもう駄目ですよね。
正直、給料の2週間とか1か月前に、現金が必要な生活と言うのは、正直ちょっと厳しく、次の給料でも結局同じことを繰り返すことになります。
結局は、この給料ファクタリングを繰り返し利用することになり、借金が膨らみ破綻するということになります。
根本的な問題として、労働基準法では、給料などの賃金は、直接労働者に支払うことが定められているそうです。
この給料ファクタリング業者が、給料債権を譲渡されたといっても、実際問題として企業から給料を受け取ることはできません。
ファクタリングという合法なサービスを使っているように見せかけていますが、中身は普通の金貸しと同じなんですよ。
給料ファクタリング業者への処罰
しかし、あきらかに違法なんだから、処罰されるべきだよな。
いったいどうなってんの?その辺は。
結局、ヤミ金融業者が給料ファクタリングという名前で、高金利の金貸しを行っているということですが、処罰されるのでしょうか。
やはりこの行為は、実質的には、高利の貸金にあたるとされており、貸金業法違反および出資法違反(上限金利20%を超えると刑事罰の対象)の違法行為となる可能性があります。
実際問題として、2017年1月には、このファクタリングを装ったヤミ金融業者の摘発事例があったそうです。
大阪府警が無登録で貸金をしたとして、無登録営業の疑いで、摘発しました。
この業者は、ファクタリングを装いながら、実態は売掛債権を担保に、高金利貸金を行っていたとのことです。
金融庁でも、ホームページ上で注意喚起をしています。
『給与ファクタリング』と称して個人に金銭を提供し、後日回収する業者について、『貸金業登録を受けずにこうした業務を営む者は、違法なヤミ金融業者です』『絶対に利用しないでください』
手元に現金がなく必要な時には
でも、本当に現金が急に必要になった時、どうすればいいんだろうか?
こういう場合には、やはり行政に頼るというのが一番いいかもしれません。
市区町村社会福祉協議会が窓口となっている、緊急小口資金、総合支援資金などの貸付制度を利用するという手があります。
とりあえず窓口に相談に行くことにより、生活で必要な電気、ガス、水道料金などの公共料金の支払いも猶予してくれる制度もあるようです。
やはりこのような生活にどうしても必要な出費というのもありますが、まずは相談してみるのが一番かと思いますね。
友達にお金を借りるというのは、やはり気持ちいい物でもなく、のちのちに遺恨を残す可能性もありますからね。
あと、最悪、消費者金融などからお金を借りる場合は、出資法の年率20%というのをしっかりと頭に入れておき、それを超えるような業者は絶対避けるようにしましょう。
しかし、お金に困っている人に対して、こうやって高金利で貸し出すって本当にひどいよな。
しっかり勉強して、そういう業者に騙されないようにしないとね。
自分の身はやっぱり自分で守らないと。