前回誤って、この「狂犬の眼」を飛ばして、第3弾の「暴虎の牙」を読んでしまいました。
もっと調べてから買わなあかんね。
ちょっと失敗しました。
ということで、今回は「孤狼の血」シリーズの第2弾である「狂犬の眼」を読みました。
なんというか、相変わらず面白いね。
なんだろうか。
やはりそれが作者の力なんでしょうかね。
今回はさほど派手なヤクザ小説特有の暴力的な描写はほとんどありません。
しかし、第1作で活躍した日岡巡査が、いい感じに成長していきます。
ガミさんからの教えを胸に、立派に成長していきます。
舞台も、広島の田舎がほとんどです。
説明 注!ネタバレ
概要はと言うと。
ガミさんこと大上章吾がなくなったきっかけとなったやくざの抗争。
いろいろガミさんから情報を引き継ぎ、成長した日岡刑事(巡査)。
警察は、何かと裏事情をしっている日岡に対して、数年後には必ず戻ってこれるようにするからと、県北の駐在所に移動させた。
警察上層部の本音は、そのまま爆弾となりえる日岡には、県北の駐在所にいてほしいところだが、日岡は元に戻れることを願っている。
また、あまり無碍にすると爆発するということから、警察上層部もそのままにしておくわけもいかずって感じだろう。
第3弾の「暴虎の牙」では、マル暴に戻ってきていたので、願いは叶ったんだろう。
いろいろやくざの組の関連図は難しい。
読んでいても、どの組の組長とか、若頭が誰とかいうのが、本当に混乱する。
もう意味わかってないかもしれん。
ただ、物語としては、その辺を理解した上で読むと、もっと面白んだろうがわからなくても面白い。
日岡巡査は、広島の比場郡の城山町中津郷というところの駐在所に勤務している。
なんか、いかにも左遷と言うか、追い込まれたという感じだが。
そこで、暴力団抗争で、日本中の警察から追いかけられている国光とであう。
最初の出会いは、呉原市にある小料理や 志乃(しの)。
このお店は、ガミさんとの思い出が詰まったお店。
女将の晶子は、本当に二人のよき理解者と言う感じ。
そこにたまたま用事で顔を出した時に、尾谷組の二代目組長である一之瀬守孝と、瀧井組組長の瀧井銀次と一緒に飲んでいたのが、義誠連合会の国光寛郎。
最初は、建設会社の社長とうそをついていたが、日岡は記憶をたどり国光だと確信した。
その後どうしようかと迷いながらお店を後にした時、国光が追いかけてきて、「わしゃ、まだやることが残っとる身じゃ。じゃが、目途がついたら、必ずあんたに手錠をはめてもらう。約束するわい。」
と言った。
ヤクザのいう事だ!という思いはあったが、日岡は国光のことは誰にも言わないでいた。
中津郷で出合い、親交を深めていく。
ヤクザは糞だが、単なる糞と、肥やしになる糞がある。
国光はどっちだ。
正直、なんか静かだがいい物語だったなって。
読んだ時の感想
おもしろい。
やっぱりこの人の作品おもしろいわ。
何だろうか。
テンポもいいし、話にのめり込む。
よく小説を読んでいると、なんか無理な設定とかあるんだが、この人の小説にはそんなところがなく、いやー、嘘だろ!っていうのがなくていい。
それだけ、本当にたんたんとした話なんだけど、引き込まれるほど登場人物が魅力的なんだな。
「孤狼の血」の映画版のキャストで、日岡巡査を松坂 桃李が演じている。
そのおかげなのか、イメージが付きやすい。
読んでいても松坂桃李の顔がうかぶ。
少しやわな感じもするが、たくましく成長すると、意外と硬派な刑事になるのかなって期待させるものもある。
国光ってどんな感じなんだろうか。
悪だけどカリスマがある。
堅気には絶対に手を出さない。
うーん、難しいね。
渡辺謙とかかな。
ちなみに一之瀬守孝は、江口洋介でしたね。
これは似合ってましたわ。
舞台は広島ということで、全編広島弁です。
なんか広島弁って、任侠物にあいますね。
映画の極道シリーズですか。。。
見たことはないですけど。
昭和60年代の話ということで、なんか時代感が少し古い感じがします。
なんだろうか。
なんか昭和感が漂うんですよね。
微妙に。
ほんとうに、面白い。
もっと続けてシリーズ化してほしい作品です。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:4
文章は読みやすい。
物語の展開は追いやすい。
ただし、暴力団の組関係はかなり難しい。
もう少し詳しい関連図がほしいところだな。
◆意外度
意外度:2
意外度はあまりないかな。
最終的にどうなるというのは、あまりないかな。
たんたんとストーリーが進んでいくって感じだ。
◆夢中度
夢中度:5
面白いから、どんどん読んでしまう。
空いた時間が少しでもあれば、本を広げてしまう。
だから、本当にすぐに読み切ってしまう。
なんかもったいないという思いもあるけど、それだけ面白いってことだ。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:3
今回は正直あまりすっきりしなかったな。
なんか国光をもっと活躍させて欲しかったな。
もったいないという気が。
しかしヤクザだからなって。
読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。