たまに経済関連のテレビで耳にする、名目金利と実質金利について。
報道などでは、名目金利の方がよく話題になりますが、本当に考慮しないといけないのは実質金利の方だとか。
それは何故なのでしょうか?
ちょっと調べてみました。
名目金利と実質金利
この名目金利にインフレ率(物価の上昇率)を加味したものが実質金利となります。
ただし、この金利は、物価上昇率を考慮していない値となります。
物価の上昇率を加味すると、この金利が本当の金利とは言えなくなりますよね。
例えば、100万円を銀行に預けていたとします。
金利は3%とします。(仮の話ですよ)
1年後には、103万円になりますが、物価の上昇率が1.0%だった場合、価値が1.0%減るので、実際の金利は、2.0%(3.0%-1.0%)となります。
この2.0%が実質金利となります。
要するに、実質金利は、名目金利からインフレ率を引いた値となります。
ビックマック指数について
ちなみにビックマック指数というのがあります。
このビックマック指数とは、2通貨間の購買力平価を測定するための指数です。
アメリカと他の国におけるマクドナルドのハンバーガーの価格差により、購買力の格差を見ることが出来る指標です。
マクドナルドは大概の国にありますからね。
一方の国の物価上昇率が相対的に高い場合、その国の通貨価値は、下落していくと考えられています。
これが相対的購買力平価説となります。
為替での名目金利と実質金利
為替のレートについても、この実質金利の考え方をするべきです。
よく名目金利だけで、報道されていることがありますが、それだと本質は見えてこないんですよね。
為替は、国家間の金利差が影響してきます。
よく資源国通貨で金利の高い通貨が買われますよね。
これは、金利差によりスワップポイントがもらえるからです。
(南アフリカランドとか、オーストラリアドル、ニュージーランドドルとか。)
例えば、アメリカの長期金利が2%だとし、インフレ率は2.0%とします。
※あくまで例として。
日本の長期金利が1%で、インフレ率が-0.5%とした場合を考えてみます。
名目金利のみで考えると、ドルが2%。円が1%なので、金利差を考えるとドルを買いますよね。
ドルを買う人が多くなるので、為替は円安ドル高にむかうでしょう。
これを実質金利で見た場合はどうなるでしょうか。
ドルの実質金利は0.0%、円は1.5%となります。
名目金利だと、ドルの方が高かったのですが、実質金利だと円の金利の方が高くなります。
実質金利も考慮に入れて考えると、一概にドル高にはならないということになります。
南アフリカランドの場合
南アフリカランドについても同様のことが言えますよね。
ランドの政策金利は、現在6.5%です。これは名目金利ですよね。
南アフリカは、現在インフレ率が約4.4%なので。実質金利は2.1%となります。
アメリカは、政策金利は2.0%。インフレ率は、1.82%で、実質金利は0.18%。
南アフリカのランドは、少しづつ持ち直してきており、7.3円を超えてきています。
USD/ZARは、今14.7近辺で推移しており、ランドが買われているようです。