今回は、「ノーマンズランド」。
誉田哲也氏の作品です。
この人の名前はよく見かけていたんですが。
読んだのは、「ケモノの城」以来でした。
前回のこの作品は気持ち悪くて、お勧めしませんが。
警察もので、姫川玲子シリーズです。
なんか読んだ気もするのですが、このシリーズ。
読んだ本をきちんと管理しだしてからの一覧にはありませんでした。
姫川玲子ですが、ドラマ化を意識してか、非常にモデル風の容姿です。
刑事で、女性で、長身で美人。
一部で人気が出そうですよね。
説明 注!ネタバレ
概要はと言うと。
バレーボールが得意な少女。庄野初海。
彼女が突如行方不明に。
少しジョギングをしてくると言い残し、でていったきり。
恋人である江川は、彼女を探すためだけに人生をささげていくことになります。
この小説の主人公は、姫川玲子刑事。
葛飾区で起こった女子大生殺人事件。
そこに参加することになりました。
犯人を捜しているうちに、いろいろな事件が交差していきます。
容疑者として挙がった男は、別の殺人容疑で捕まっていましたが、状況をみるとなにやらおかしい。
裏には何か大きな陰謀が潜んでいるのではと。
いろんな人の協力を得ながら、真相に近づいていく。
しかし、真相に近づけば近づくほど、モヤモヤ感は増していく。
読んだ時の感想
最初は、なんか少し悲しい青春ドラマのように、物語が進んでいきます。
スポーツに打ち込む姿。
ケガ。
それが突然様相が変わり、一気に事件の感じが。
単なる事故か、誘拐か。
何が起こったんだって。気になりますよね。
主人公である姫川玲子警部補。
もう天才的な勘の鋭さ、あと違和感をキャッチして、人と違う視点で事件を見る。
刑事として天才的な能力を持っています。
本人のせいではないにしろ、周りの人が亡くなっていくことから、死神と一部では言われてるようで。
これって、堂場瞬一氏の鳴沢了刑事に似てる。
この二人が組んだらどうなるんだろうって思ったりもしますが、そう言えば鳴沢了刑事にも、同じようなパートナーいたな。
小野寺冴。
彼女もモデルのような容姿で、鳴沢了刑事と一緒に活躍してましたね。
刑事小説に出てくる女性は、こういうタイプがはえるんでしょうかね。
最初の葛飾区の事件を追ってるんだけど、被疑者が別件で逮捕されたことにより、ドンドン事件が混沌としてきます。
初海の失踪事件との関係はどうなるっていう、ドキドキ感が、ついつい夢中になってしまいますね。
これは本当に腹が立ちますね。
今まで報道とかでしか聞いたりしてこなかったけど、こうやって身近な人が失踪するという事実というか、感情と言うか。
目の当たりにしてみると、本当にやるせないですね。
ほんとに何してんだって。
人の国に来て、その国の人間を拉致するって。
もう人間のすることではない。
改めて思いましたね。
あと、勝俣刑事も言ってたけど、今の日本は生ぬるい思想が蔓延している。
他の国も同じだと感じてるが、考え方は驚くべきほど異なる。
そんな国とどう渡り合っていくのか。
政治家も国民もあまり意識していない。
それを変えようとしても砂つぶを積み上げるように地道にアピールして行かないといけない。
まさにその通りだって。
憲法9条の改正においても、議論がほとんど進まない。
一部のコメンテーターは、中国とか韓国ともっと会話していけば、領土問題は解決すると本気で言っている人がいますが。
結局、うまくいかないと交渉が下手とか言ってくるんだろうな。
会話ができる国なのか、もうわかってると思うんだが、いまだにこんな人は多い。
真剣に怖いんですが。
このような人がいるってこと自体が。
この本を読んで、刑事もの特有のスリリングな展開はもちろん面白かったんですが、同時n北朝鮮による拉致問題が、いかに日本にとって大きな問題か、本当に考えさせられました。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:2
登場人物が多すぎて、結構混乱するわ。
いろいろ話が交錯するし、時間軸が少しわかりづらい。
今回は、登場人物をメモしながら読みました。
読めば大体わかってくるんですがね。
◆意外度
意外度:3
意外度はそれほどなく。
少し先が読める。
ただ、この先どうなるかと言うワクワク感はあり、楽しめる。
◆夢中度
夢中度:5
なんかテンポが速く、すぐに次の展開どうなるんだろうって感じで夢中になる。
刑事ものが好きな人は、結構いいと思いますね。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:2
やはり北朝鮮の拉致問題ということで、すっきり感は本当にない。
ちょっと寂しい結末だった。
拉致事件がなければ、この二人は本当にいい夫婦、家庭を築いていたんだろうなって。
それが非常に残念だ。
読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。