おぐけんブログ 悠々自適の投資生活

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【サラリーマン書評】「バカと無知」橘玲〜研究結果を元にしたいろんな解析が面白い

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この本は、小説とは違い、いろんな研究の成果、結果を元に、分析したものです。

分析というのは、いろんな面からの事象についてです。

著者の、橘玲(たちばな あきら)氏は、一般の小説も書いています。

有名なのは、「マネーロンダリング」ですかね。

 

説明・内容

この本の中には、いくつかのおもしろい説明があります。

特に面白いって思ったことについて、ちょっと紹介させていただこうかと。

 

バカと無知

この本のタイトルになっているものですが、非常に面白い。

端的にいうと、「バカは、自分がバカであることに気づいていない」

これは、ズバリですね。

 

それだけなら、バカの問題なんですが、実はすごく周りに影響を及ぼすとのことです。

なぜかというと、バカと賢い人が議論すると、結果はバカに引きづられるということ。

 

バカは、自分がバカと気づいていない、またプライドも高いため、物事についてなんでも言い切る。

「・・・だから、・・・だ!」って感じに。

賢い人は、周りも相当に賢いと思っているため、謙虚で人の意見を取り入れる傾向があるので、言い切られると、そうなのかと受け入れてしまうそうです。

(PS.こういう内容は、全て実験で実証されていることをもとにしています。そのため、著者の結果というのは、ほぼ反映されていませんから。)

 

なら、バカはどの程度いるのかということですが、他の章にもありますが、普通できるだろうと思ってることができない人は、思いのほかいるということです。

 

知能を検証するテスト(PIAAC)で見ると、日本人の実に28%の人が、150字程度の本の概要を読んでも理解できないという結果が出ています。

ITスキルにおいても、メールを読んで会議室を予約するという事務的な処理ができたのが、実に8%程度。

 

ただし、世界レベルでいうと、先進国で1位の成績となっています。

 

周りの人は、相応に賢い、またはバカではないと思っていても、意外とそうではないということです。

 

単なる議論だけであればいいのですが、怖いのが民主政治。

投票により国の代表を決める国政選挙。

誰に投票するかを決める時、コストを考えると、立候補者の思想や経歴を調べて投票するのは、非常に大変です。

だから、手っ取り早く、投票するとなると、知名度や容姿。そういうことで決めてしまいます。

 

なら、どうなるか。

まぁ、これは今の日本の政治を見ていたらわかりますよね。

もうぐだぐだです。

 

だから、投票率はできるだけ低い方が良い。

ってことになるんですが、これもうまくいかないと。

なぜなら、立候補者に強い思いを持つ人は、思想的に偏っている人が多いことが予想されるからです。

結局そのような人ばかりが投票すると、偏った政治家ばかりが当選してしまいます。

 

やっかいな自尊心

これも結構面白い事象でしたね。

簡単な実験で、相手が得をし、自分が損をする場合、合理的には考えられないというものでした。

 

小さい子供2人に飴をあげます。

相手の飴の数を見て、飴の乗った皿を捨てるか、受け取るかを選べれるようにします。

その時、相手の飴が2個、自分の飴が1個の場合、皿を捨てる子が多いそうです。

皿を捨てると、自分は1個ももらえません。

自分より相手が得をするなら、ないほうがいいと考えるようです。

 

これは小さい子供の頃は、本当というか、本質としてそういう傾向があるということです。

もう少し大きくなると、結果は変わって来るそうです。

 

自尊心を伸ばすと、成績が上がると言われて、それを実践している家庭がありますが、個の本では逆と位置付けています。

成績が伸びる子は、元々自尊心が高いと。

自尊心を伸ばせば成績が上がるのではないということです。

 

ビリギャルというのが一時流行りましたが、その学習方法は、ブームにはなりますが、定着はしません。

これは大方の人が気づいていることですが、この本でズバリと言っています。

要するに、元々頭がいい子がギャルをやっていたということ。

そして、偶然その子が学習する機会に巡り会えたということ。

 

見たり、読んでいたらわかりますから、この子地頭がいいんだなって。

ビリギャルを見て、うちの子も、私もって考えるのは、まさしく誤解しすぎると。

 

差別と偏見

いろんな事象があるんですが、端的にいうと。

偏見に関する授業が、偏見を助長する。

 

ではどうするかというと、答えはないんですが。

これらについても実験の結果が出ています。

 

確かに普通に考えればわかることなんですが。

授業で教えるということで、意識されることになりますから、それに合わせて、そのフィルターがかかった状態で、生活するとどうなるか。

黒人と白人についての人種差別について勉強すると、世の中のそういった事象に目がいくようになります。

あれ?報道でなぜ、黒人の人が警察に撃たれているのか。

レストランで、黒人の人と白人の人とで、接客態度が違うのか。

白人と黒人で優越があるのか。

どちらについた方が、メリットがあるのか。。。

 

すべての記憶は「偽物」である

これも非常に面白い事象でした。

ただし、ある程度の人は、分かっていたことだろうと。

要するに、人の記憶はあまり当てにならないで、勝手に書き換えるものだと。

 

実際に実験を行った結果、経験もしていないことを語り出す人が多いことがわかったそうです。

特に、写真などを加工してみせた場合などは、テキメンに記憶が書き換えられるようです。

経験したことのない、誘拐事件も、簡単に記憶の上書きができたそうです。

 

まとめ

こういった内容が、実験の結果とともに語られています。

決して答えはないのですが。

では、どうしてそうなるのかっていう理由というか、原因が少しだけ分かってきます。

原因が分かっても、どう対処すれば良いか。

世界中の民主主義が揺らいでいる昨今。

イギリスのブレグジットや、トランプ大統領の誕生。

日本のレベルの低い政治家の増産。

全てが、バカな国民の存在を無視していることから起こっているのです。

 

バカは、元アイドルに政治家の素質があると考える?

いやいや、有名だからか。

面白そうというだけで、ガーシーのような人間に投票する。(その政党に)

 

では、どうやってバカを排除するか?

って、できないんですよ、民主主義では。。。

問題の本質というか、原因が分かっただけでも、この本を読む価値はあるのかと。

 

 

総評

◆読みやすさ

読みやすさ:4

こういう本は少し読みにくいものが多いのですが、この本は読みやすかったです。

実験の結果もしっかりとあり、内容も著者の感想がなく、すっきりと頭に入る。

 

◆意外度

意外度:2

意外度はほぼありません。

実験の結果に基づいた検証。

しかし、バカと賢い人が議論すると、結論はバカに近づくというのは、非常に興味深かったですね。

 

◆夢中度

夢中度:4

少し最後の方は、面白みは半減してますが。

しかし全体的には面白かったですね。

夢中になりました。

 

◆読んだ後のすっきり度

読んだ後のすっきり度:3

原因はわかりましたが。

では、どうすれば良いか。

それは出ないでしょう。

著者のせいではありません。

この問題は、かなり根深いです。

みんながこの原因を理解すれば変わるのかと。

しかし、大きな問題。

「バカは自分がバカだと気づかない」

これが解消されない限り、無理でしょう。

 

 

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読書について

本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。

いい意味でも、悪い意味でも。

時に深く考えさせられることもあります。

 

人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。

最近世間では本離れが進んでいると言われています。

 

本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。

ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。

 

もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。

 

駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。

 

もっとみなさん本を読みましょう。

そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。

ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。